「宇宙を駆けるよだか」作者・川端志季
赤い月の日に、学校一の美少女と、クラス一のドブスの体が入れ替わってしまうという、ファンタジックな恋愛漫画。
「美しくなれば、人生はうまくいくはず」というブスの然子。
「美しさ」は体だけのものなのか。それとも、あゆみはブスになっても心美人でいられるのか・・・
第1巻のあらすじとネタバレ
登場人物たち
・小日向あゆみ 物語のヒロイン。美人でモデルみたいにスラッとした体。幼馴染の公史郎に告白される。
・水本公史郎 あゆみの彼氏。成績優秀、スポーツ万能な優等生。
・火賀俊平 イケメンであゆみのことが好きなクラスメイト。
・海根然子 デブスで周囲から無視されて嫌われていた。公史郎に優しくされて好きになる。
美少女とブスの入れ替わり
モデル体型の綺麗な女子高生・小日向あゆみが、幼馴染のしろちゃん(水本公史郎)に告白されて交際することになり、初デートに向かいます。
その日は、赤月町でたまにある「赤月の日」でした。
その途中で、いきなり同じクラスのデブでブスな海根然子の飛び降りを目撃して倒れます。
普段、ろくに話もしたことがない然子から、飛び降りる直前にもらっていた電話。
病院で目覚めると、あゆみはなぜか自分が『然子』になってしまっていました。
体を取られたあゆみ
鉛のように重たい体、落ち武者のようにボサボサの髪、にきびだらけでむくんでいる醜い顔。
「話せばきっと友達も家族も信じてくれる」
楽天的なあゆみは学校に行って、しろちゃんに訴えかけますが気づいてくれないどころかドン引きされます。
さらに、あゆみの体に入った然子は「いままでさんざん幸せな人生送ってきたんだから(ブスなわたしの体に入って)ちょっと苦しみなよ」と、綺麗な顔のあゆみの体で幸せもしろちゃんも横取りしてやる、と宣言。
学校で誰一人友達がいないまま、学祭の大道具係になってしろちゃんに近づこうとして火賀にはばまれます。
気づいてくれたひと
けど、初めて「あゆみがあゆみ」だと気づいてくれたのは、火賀くんでした。
あゆみのことを密かに想っていた火賀くんは、ちょっとしたしぐさから然子の姿でもあゆみだとわかってくれたのです。
しろちゃんもその後、入れ替わりに気づいてくれますが「俺、あゆみちゃんの顔が好きだったからこのまま付き合うよ」と、ひどい態度・・・
そしてふたりがキスしている姿に傷ついて逃げ出します。
第1巻の結末
火賀くんとふたりで入れ替わりの原因を探るあゆみに、入れ替わりの方法を知っている女・宇金真緒から秘密を教えてもらいます。
宇金真緒の中身は、元男性でした。
しかも、ふたりが入れ替わり後にもとに戻ろうとしたところ失敗し、本物の宇金真緒は亡くなってしまった、というのです。
つまり、一度入れ替わったらもう二度と元には戻せない。
赤い月の日に命を失うことで入れ替わりはできても、戻れないのであればあゆみはもう『海根然子』として生きていくしかない、とあきらめかけます。
小日向家をのぞくと、家族と笑うあゆみの体に入った海根然子を見て、さみしくてくやしくてたまらないあゆみ。
悩み苦しむあゆみに、火賀くんがどんな姿でも好きだと言ってくれて、そばにいると告白します。