2.5次元俳優の実写化舞台にハマって、アイドルの追っかけに夢中になる人生カラッポだったOL。
これがすべての「炎上」の始まりだった!?
人間の闇を描いたら天下一品!な池田ユキオ先生の新作漫画「悪い推しほどよく炎上える~私のオキニがやらかしまして…~」。
分冊版の第1巻(めちゃコミ話数売りだと1〜4話収録)では、痛々しいほどのアイドルオタになってしまった女が「キモいファン」と利用された挙げ句に蔑まれ、「復讐」に燃えるまでを描くお話です。
「悪い推しほどよく炎上える」のあらすじ・ネタバレ
病院の受付で働く27歳の篠田美月の人生を変えたのは、同僚から誘われた「2.5次元俳優の実写化舞台」を観に行ったことだった。
興味なし、と思っていたのに漫画と同じくキラめくような若くかっこいい「2.5次元のリアル」が存在してる奇跡にめぐりあい、その日から「橋下流星」にハマった。
彼と目が合った、微笑まれた、SNSで「特別な1コメ」をゲットした。
生活のすべてが「流星」を中心に回り始め、舞台は千秋楽まで、グッズコンプリート、彼が喜んでくれる「贈り物」選びに夢中になる美月。
いくらかかっても構わない、プレゼントを身につけたカレの写真を見るのが生きがい。
かつて、不倫がバレて自分を捨てたオヤジから「赤ちゃん返り」写真をネタにゆすり、「流星」に貢ぐ資金ゲット!
あたしがもっている優しさ、愛情、すべて捧げたい・・・
夢中になるほどに、金も仕事も品位も失っていく美月。
だが、「キモいファン」という「流星」の本音を聞いてしまい!?
「悪い推しほどよく炎上える」の見どころ・『可愛さ余って憎さ百倍!』な美月
「推し」にすべてをかけてしまうファン心理がよく描かれたお話ですが、なんと言ってもみどころは
尽くして 尽くして 尽くして 尽くしまくって、その情熱を全否定されてしまうかのようなアイドルの男の不遜な態度。
そして・・・『可愛さ余って憎さ百倍』と、トコトン自分を搾取して課金させたくせに、ゴミか虫けらのような扱いをした「流星」に対する美月の復讐心です。
「あいつらはただの踏み台」と、自分を愛して支えてくれるファンたちを「養分」としか思っていない傲慢なアイドル。
しょっぱなからタダモノじゃない行動力で、アイドルオタになった美月の執着力がどのような「炎上」を作り出すのか。今後に注目です。
「悪い推しほどよく炎上える」の感想
なんともリアルな「ドルオタ」ストーリー。
アイドルに熱狂し、人生も情熱も捧げて「推し」に対する深い愛がいきすぎて「モンスター化」していく女。
美月は見た感じ、そこそこかわいく見えるんですが、若いアイドル・流星から見ると中年の「微妙な女」扱い。
それにしても、美月をミュージカルに誘った同僚は罪作りだなあって思いました。
これがきっかけで人生変わっちゃったわけですから。
「私は特別なファン」
と思い込み、貢ぐうちに転落していく人生。
野心家の若いアイドル・流星にとって「ファンは自分がのしあがるための手段」でしかなく、どれだけ尽くしても「搾取対象」以上ではないクズっぷりを発揮しています。
美月より古参の「姫」が、見た目いかにもモンスターオタなうえに、妄想の中で「流星の彼女」として生きる痛々しさを晒しており、美月も同様の道をたどるのですが・・・
愛が重すぎるゆえに、怒らせたら怖い「ドルオタ」・美月が流星に対してどんなふうに仕返しをするのか。
どんな結末が待っているのか。ワクワクしますね〜!