「業務上偽装恋愛」は、尾崎衣良作の短編集「外面が良いにも程がある。」に含まれている作品です。
本当はデキる女なのに、モテないからと猫かぶりをして頭が悪いふりをしているOLの、こじらせ恋愛ストーリー。
業務上偽装恋愛のヒロインの言葉
「結局、男ってバリバリ仕事するより、ちょっとおバカな可愛げのある女が好きなんだよね?」
業務上偽装恋愛のあらすじ
4月に中途入社した新人OL・玉名栞は、会社で徹底して猫をかぶっていた。
前の会社では、バリキャリばりに仕事をして、それが原因で彼氏にふられてしまったから。
本当は仕事ができるけれども、それは隠して。お茶くみしかできないOLを演じていれば、男に好かれるだろうと思っていたのだ。
控えめOLを演じ続けて7ヶ月目、とうとう会社の御曹司・長州英明に見初められる!
「君こそ僕が求めていた控えめで、男を立てられる理想の女性。
僕と、結婚を前提に、お付き合いしてください・・・!」
栞はニヤリと笑って「やっぱり男って、デキる女よりも出しゃばらない控えめな女が好きなんですね」と、自分の今の戦略が正しいと確信する。
顔はいいし、女子社員からの人気も高い長州をゲットするチャンスを目の前に、おバカな愛され女子を演じきろうとするも・・・
先輩の佐藤の仕事のミスで、長州が尻拭いさせられそうになり、栞はキレてしまう。
かぶっていた猫を捨てて、「御託並べてる暇あったら、仕事しな!」とタンカをきった現場を長州に見られてしまい、栞は「終わった・・・」と思ったが・・・!?
業務上偽装恋愛の登場人物
玉名栞(たまな しおり):4月に中途入社したばかりの新人OL
長州英明(ながす ひであき):栞が入社した会社の御曹司
元カレ(名無し):前の会社で栞を振って別の女と結婚
佐藤:会社の先輩。玉の輿狙いで仕事ができない女。長州に気がある
業務上偽装恋愛の感想
女性の社会進出がすすんでいるとはいえ、まだまだ「デキる女性」は煙たがられるもの。
女ひとりでも、ちゃんと自立して生きていけるように、仕事に没頭するOL。
頑張っているはずなのに、認められるどころか、周囲の男性は「可愛げがない女」「ちょっと仕事ができるからってでしゃばりすぎ」と陰口を叩かれる。
同じ経験をしたことがあるOLさんも、結構多いのではないでしょうか。
デキる女より、愛される女になりたい。
男性の後を、一歩下がってついていくようなかわいい女。
それが求められるなら、仕事ができないフリだってできる。
そんなヒロインが取った行動は、御曹司の前で猫をかぶって自分を偽ることでしたが、相手をうまく騙していたつもりでもうまくいかないものですよね。
もっとも、この漫画の長州は、ラストで栞もびっくりの展開でしたが。
彼の「理想の女性」は、そういう意味だったんですね。
なお、「業務上偽装恋愛」は、「外面が良いにも程がある。」に入っている2番めの作品です。
収録作3話目の感想