SNS地獄(漫画)ネタバレ感想 高村しづ・とらふぐ作
鬼女デラックスの漫画「SNS地獄(高村しづ・とらふぐ作)」のネタバレ感想です。
「SNS映え」に夢中になるあまりに虚構のリア充な自分を演出しすぎて恐ろしい男に狙われ、ネットの恐怖を味わう女性の物語です。
「いいね!」をもらう快感がやめられず、とことんまで落ちていき・・・
「SNS地獄」のあらすじ
つまらない毎日でパッとしない自分に飽き飽き
ユミは地方大学を出たあと、東京へ出てOLをしていた。
憧れの都会暮らしは、華やかなどころかお茶くみとコピー取りのうえ、立場は派遣社員。
本当は輝くバリキャリになっていたはずなのに、どうしてこうなったのか・・・
退屈な日常の中で、飽き飽きしていたころに大学の同窓会の知らせが届く。
同窓会から始まったSNS地獄
久しぶりに会った旧友たちは、やたらとキレイに変身していた。
昔は地味でもっさりしていたのに、垢抜けて悠々自適な専業主婦アピール、デザイン事務所のマダム社長など「輝いて」見えた。
「イ○スタグラムやってる? ID交換しよ!」
写真を投稿するSNSに誘われて、ついIDを取ったものの、それはユミにとってSNS地獄の始まりだった。
『天使ちゃんを預けて、パパとランチ♪ウフフ』
幸せそうな笑顔と赤ちゃんを抱っこした友人の写真や、優雅なランチタイムを過ごす投稿内容を見て、ユミは「負けたくない、絶対」とまるで相手に見下されているような劣等感を感じていた。
始まる虚構のリア充アピール
裕福でもないただのOLのユミが、リア充アピールするためには「虚構」の自分を演出するしかなかった。
会社の同僚が「見て、これパリで買った新作」と高価なブランドバッグを自慢しているのを見て、こっそりとロッカーを開けて写真をとる。
そしていかにも自分の所有物であるかのように見せかけて、
『パリで買った新作バッグ。やっぱりこの大きさで正解!』
とSNSに投稿してしまった。
すると、その瞬間から「素敵だね、ユミに似合っている!」「うらやましい」とコメントが入りだし、みんなから羨ましがられる自分に妙な高揚感を感じるユミ。
褒められる快感で止まらないユミ
手作り弁当をやめて、おしゃれなカフェでランチの写真を投稿し、「いいね!おしゃれですね!!」とコメントをもらうだけで充実感で「たまらない!」と浸るようになるユミ。
リア充アピールするために、ありったけの持ち物を持って質屋へ行き、五つ星レストランで食事をする金を工面。
「行きつけの五つ星レストランで本日も夕食♪」
これが本当の私なのよ・・・SNSでみんながうらやましがるたびに、セレブになったかのような気分にユミは止まらなくなってしまう。
とうとうサラ金に手を出してしまい、高価なバッグを買って写真を撮っては質屋へ向かう日々。
借金までしてリア充アピールしたことで、フォロワーは1500人を超えてユミは『キラキラ女子』の仲間入りを果たした。
撮ってはいけない写真を撮ってしまう
ユミはセレブのパーティに勝手に潜り込み、「理想の世界」をSNSに投稿し続けた。
高級車の前で自撮り、セレブパーティで自撮り・・・自宅の電気も払えずにろうそくをつけて生活するまで落ちぶれても、やめられなかった。
そしてある日、とうとうユミは「撮ってはいけないもの」を撮ってしまう。
電車で居眠りしているイケメン男性を発見し、まるで自分の彼氏であるかのように勝手にツーショットを撮って投稿したユミ。
だがその日から、ユミは男に付け狙われて恐怖のどん底に陥り・・・
※結末はあなた自身で読んでみてくださいね!
「SNS地獄」の感想
楽しく生活を彩ってくれるツールであるSNSのはずが、「SNSでリア充アピールするための生活」に逆転してしまった女性のお話です。
現実の自分はどんどん貧しくなっていくのに、SNSの中で「素敵です!うらやましい!」とチヤホヤされると理想の自分に変身してしまった気分になってやめられないヒロイン。
ここまでやるか・・・!? と思わないでもないけれども、現実にインスタ映えのために高価なブランドを買って写真を撮ったら質屋、という話は聞いています。
そこまでいかなくても、かわいいお菓子の写真が撮りたいから、と写真のためだけにクレープを買って食べずにゴミ箱へ直行とか。
まさにSNSの闇、とでも言うのでしょうか。
女性の「みんなからうらやましがられたい」「チヤホヤされると気持ちよくてやめられない」という心理がとても良く描かれている作品です。
キラキラした自分になりたい、理想の世界に入りたい、という嘘の人生をつかのま見せてくれるSNS。
このお話を読むと、SNSを使うのがちょっぴり怖くなってしまいました。
SNSの闇!動物虐待キラキラ女子の末路漫画
とらふぐ先生が描く、もう一つの「地獄作品」