女の価値なんて・・・世の中は所詮、顔! ものすごいブスのお姉ちゃんに、キレイだけど性格が悪い妹。ブスの姉妹が主人公。
大原レイン先生の漫画「性格ブスと見た目ブス~ブサイクの遺伝子~」は、美醜をテーマにした短編漫画集です。
表題作はブス姉妹の滑稽な確執と、妹が姉を邪魔に思い始末しようとするサスペンス要素が入った作品になっています。
こちらでそのあらすじと感想をご案内します。
「性格ブスと見た目ブス」のあらすじ
真代には誰にも紹介できない「超デブスな姉」がいた。
事故で両親が亡くなり、姉とふたりで遺産をわけあった結果、姉は遺産を軍資金にしてネットトレードをはじめて一日中部屋にこもり、小汚い格好でゴロゴロしながら食っちゃ寝の生活をしていた。
風呂にさえたまにしか入らないだらしない姉を心底軽蔑していた真代だったが、姉もまた心得たもので真代がキレそうになるタイミングでうまくプレゼントをくれたり、怒りをそらしてしまう。
いっそ縁を切りたいのに、切れない。
そんなジレンマを抱えていたが、結婚を本気で考えている彼氏・緒沢からのプロポーズで真代は「姉を切り捨てる」決断をした。
しかも姉はちょうど投資に失敗して借金を抱えてしまい「一生離れない」と、真代に生涯つきまとうと言い放つ。
この醜い女から逃れるためには、もう消えてもらうしかない。
真代は自分の幸せのために、姉を手にかけようと計画をたてるが・・・
そのほか、収録作紹介
本作にはほか、2編の短編が収録されています。
『ブス友を持った女の本音〜本当に醜いのはどっち?!』
楓と絵美は、学生時代からの友達でいつも一緒だった。見るからにブサイクで、周囲から笑われるほどの下品な立ち居振る舞いでうんざりしていたが、絵美の隣にいると楓が少しはキレイに見える。
楓は引き立て役として絵美を利用していたが、ある日絵美が美しく大変身してしまい・・・
一言感想:お互いに足を引っ張り合う、美しき?女の友情。
『美魔女な姑』
男前の夫・高也と結婚し姑の家に同居することになった映見。姑はびっくりするほど美人だったが、あからさまに映見を見下し、生まれてきた子供さえ「ブサイク」と虐げた。
ブスが大嫌いだという姑・・・しかし昔の姑の写真をみると、ダサいブスが映っていて!?
一言感想:息子が味方してくれてよかったけど、最後まで救いのないオチ。
「性格ブスと見た目ブス」の感想
美醜をテーマにした作品集なんですが。
登場人物全員『性格ブス』で、見た目がキレイでも中身がブス。見た目がブスで中身もブスだというブスあられ。
あちらを向いてもこちらを向いてもブス、ブス、ブス、となかなかエグい仕上がりになっていました。
表題作のブス姉は、顔もブサイクなうえにキレイになろうという意志が皆無で、ブクブク太っており、汚部屋に暮らしさらに風呂に入らず臭ってくるほどの不潔さ。
うぇ〜〜って感じ。たしかにこんなのが血縁だったら「縁切りたい」って気持ちになりますよね。
でも妹の真代は真代で問題てんこ盛りなひとで、顔の美しさはじつは偽物で、美貌を利用してお金持ち男性をゲットしようとしていたという心の浅ましさ、ブスな姉が邪魔だからこの世から抹消してやる、というなど醜い本音を隠しもっていました。
この漫画を読んで、元の顔がいくらブスだとしても「綺麗になりたい!」という気持ちってすごく大事なんだなー、と思いました。姉だって、少しは身ぎれいにしてお化粧すれば、見れなくない程度にキレイになれたかもしれないし。
女をあきらめてスウェット姿でゴロ寝、部屋中に生ゴミだらけ、テレビ見ながら煎餅バリバリじゃあ、女性としてというよりも人間としてどうかって気になります。
結果として、ブス姉妹そろって共倒れという形で終わる後味悪い系エンドでしたが、人として美しく生きなきゃという教訓を得られました。
元のカオはどうしようもないけど・・・せめて清潔にしてお化粧くらいしよっ、って思えるお話でした。
美人の妹と比較されてきた中年女のコンプレックス漫画!
ブス漫画ジャンルで、一番明るい物語