まるで本物の人間のように相談に乗ってくれて、悩み事を解決してくれるスーパーAIアプリ「SAiKO」に全国の女子高生たちは夢中になっていた――
スーパー美少女AI・彩子(サイコ)は「サイコー(最高)」のアドバイスをくれるものの、「ある言葉」を言った瞬間に「地獄からの使者」に変わる恐怖。
こちらでは、本田真吾先生のホラー漫画「彩子 黒」のあらすじと感想をご案内します。
「彩子 黒」のあらすじ
IT会社の超天才がつくったという噂のAIアプリ「SAiKO」は、スマホにインストールするだけでスーパー美少女AI・彩子がなんでも教えてくれる、と女子高生たちに大人気だった。
気になる先輩との恋を実らせる方法、わりのいい小遣い稼ぎに、試験の解答・・・など「どんな悩みに対してもサイコーのアドバイス」をして解決してくれる。
しかし、流行が広まるほどに「奇妙な噂」が流れ始めた。
アプリを使った女子高生たちの少なくない数が、突発的な事故や不自然な亡くなり方をするニュースが頻発し、「呪いのアプリ」と呼ばれるようになる。
女子高生・朝比奈 知世は成績トップ、美人で委員長もしている人気者。だが、男子が苦手で恋愛からは遠ざかっていた。
因縁をつけてきた学生から助けてもらった縁で、不良だと言われる成瀬 謙五にほのかに恋心を抱くようになり、「SAiKO」に相談してしまった。
成瀬と親しくなれた知世だったが、成瀬は「彩子の呪い」のことを調べており、知世もまた降り掛かった呪いを解くべく共にアプリの謎に挑む。
「彩子の呪い」発動の条件とは?
なんでも願いを叶えてくれる魔法のようなスマホの中にいるAIアプリ・・・そんなものがあったら、欲深い人間は「不道徳な頼み」をしてしまうものです。
「憧れの○○くんが振り向いてくれるように!」というかわいいお願いならともかく、「SAiKO」の場合は善悪問わずどんな相談にも「最高の答え」で手伝ってくれます。(万引きすら手伝ってくれる)
そのため、成瀬と知世は当初「不道徳な願い」が呪いの発動条件かと考えますが、成瀬の純粋無垢な妹がそのような願いをするわけがなく、☓。
では、一体何が呪い発動のトリガーとなっているのか・・・
それは、『ある言葉』でした。
スーパーAIアプリ「SAiKO」の誕生秘話を描いた「彩子 白」を先に読んだ方なら、思い当たる言葉です。
「彩子 黒」の感想
小さいスマホの中から、ニョキニョキーーー!と生えてくるツギハギだらけの不気味な腕。
「さ・・・行こ」
(ヒィィィーー((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。オマエは貞子かー!?)
テレビ画面から出てきたサダコよろしくスマホから彩子がはいでてくる姿に、時代の移り変わりを感じます。(現代はテレビよりもスマホ!)
「彩子 白」における、愛するひとからの裏切りの怨念を背負って悪霊となった「SAiKO」から逃れるには、成仏してもらうしかなく。
呪いの元凶にたどりついた成瀬と知世は、彩子とタカとの関係とは違って愛と信頼で結びついていたからこそ「斎賀彩子の怨念」を晴らすことができたのでしょう。
でも、本当に彼女が成仏したのかどうか、アプリの存在自体が消えていなかったことからまだアヤシイ・・・ちゃんと復讐も果たしていたし。
こういう「じつはまだまだ終わっていない」というホラーの終わり方って、結構スキです。
「彩子 黒」は、アプリの起源となる「彩子 白」と同時発売しており、どちらから読んでも楽しめます。
(わたしは白→黒の順に読みましたが、黒→白のほうが良かったかも)
「彩子 白」のほうもレビューしてますので、よかったらチェックしてくださいね。