ヒューマン漫画

お別れホスピタル(漫画)1巻のネタバレ感想 沖田×華

2018年8月12日

生まれる命の感動の物語『透明なゆりかご』で有名な沖田×華先生の「お別れホスピタル」第1巻のネタバレ感想です。

今回の作品は前作とは対照的に「これから別れを告げる命」を描いた物語です。

 

終末期病棟(ターミナル)――通称・『ゴミ捨て場』とも呼ばれるシビアで切ない環境で、患者たちの最期を見守る看護師たちと、さまざまな人生の終わりに心揺さぶられる内容です。

スポンサーリンク

「お別れホスピタル」第1巻各エピソードの紹介

カルテ1 3人の老女の物語

 

終末期病棟(ターミナル)で働いて2年目になる看護師・辺見。32歳彼氏なし。

「カントリーマアムをください!」と叫ぶ大田さん、ほとんどしゃべらない野中さん、おしゃべりで愛想のいい山崎さん。

3人の老女が同室になっていたが、山崎さんが急変してからつぎつぎに・・・

一言感想:「ツイている」がツキがあるって意味じゃなく「同じ日に亡くなる」意味で愕然。

 

カルテ2 神にすがり捨てられた患者の娘

 

「神様ー!よろしくー!」と毎日叫ぶ患者・清井さん。熱心な宗教活動の末、余命半年と診断。

清井さんの娘は、どう見ても50代で老けていたが、30代だった。父の見舞いに来ると、昔の恨みつらみをぶつけ、「神様はアンタを救わなかった。みじめよね」とぶつぶつ言い聞かせていた。

宗教にくるった父親のせいで人生を台無しにされた、と恨む娘の復讐とは・・・?

一言感想:父に人生を奪われた娘がかわいそう。本当にかわいそうの一言。

 

カルテ3 認知症で頭の中が青春ど真ん中のおばあちゃん

 

81歳の幸村さんは、若いヘルパー・大宮くんを見ると目をハートにして「ケンさ〜ん♡」と迫ってくる困ったおばあちゃんだった。

思い余った幸村さんは、入浴介助のときにとうとう大宮くんを・・・

一言感想:いろんな意味で元気すぎるおばあちゃん。こうなったら幸せだろうなあ。

 

カルテ4 軍曹殿の秘密

 

戦争時代の帽子をかぶり「ワシは軍曹だ!」という小川さんは通称・軍曹どの。

13年もの長い間入院しているが、「軍人恩給」目当ての親族に無理やり生かされている状態だった。

軍曹殿には、誰にも告げていなかった「ある秘密」があった。

一言感想:すごくおもしろいエピでした。軍曹殿の家族がキョーレツすぎ。

 

カルテ5 身寄りがいない独身のマサちゃん

 

辺見の「お気に入りの患者」マサちゃんは、わがままな患者が多いなか、本当に性格が穏やかで優しくて愚痴を聞いて慰めてくれる癒し系のひとだった。

結婚せず、子供もいない彼女は、幼いころに両親を亡くして地主にこき使われたあげくに無一文で放り出されていた。

厳しい報われない人生にもかかわらず、誰も恨まないマサちゃんは「お母さん」の姿を見るようになり・・・

一言感想:いい人なのに報われない人生って哀しいけど、お母さんが迎えにきてよかった。

 

カルテ6 明るい元社長の心の闇

 

いかにもイケイケドンドンな元社長の本庄さんは、会社倒産と同時に妻に捨てられ離婚、ガンの末期で余命半年と宣告されてきた。

明るくジョークを飛ばす彼はとても「そんなこと」をしそうもなかったのに、ある日飛び降りたと騒ぎがあって・・・

一言感想:悩んでいるように見えてなくても、心の中までは見えないもの。

 

「お別れホスピタル」第1巻の感想

 

すべての命は、生まれてきたときに「この世を去る」ことが決まっている運命。

長生きして、最後にたどりつくのが『ゴミ捨て場』、終末期病棟(ターミナル)だとしたら、どうしても切ない気持ちになってしまいます。

 

高齢化社会の宿命、とでもいうべきなのでしょうか。誰しもこうした問題に直面するときがやってきます。

健康なままで最後はポックリ、といきたいものですが、なかなかそうもいかず「健康寿命」をまっとうできずに病院が「終の住処」となるのは避けがたいことです。

 

老いていく両親の介護、そして家族ではもう手に負えないほどに老衰で回復の見込みがなくなった場合、「厄介者」として病院に放り込まれてしまうのか、それとも「少しでも長く生きていてほしい」と家族に願われるのか。

 

自分を生み、育ててくれた親に「感謝」し「愛情」を持つのが世の道理。

でも、実際にはないがしろにされつづけてきた家族は、終末を迎えるときになってから、その「仕返し」を親にすることがあります。

 

子供を虐待し、痛めつけて育てた親は終末期病棟で「同じこと」をされる。

家族が困っていても見捨て、子供を突き放していた親は、子供から見捨てられる。

 

ゾッとするほどの生々しい現実が、繰り広げられています。

 

よくある感動の家族テレビドラマとは違い、最後の最後まで「和解」もなければ「愛情」もなく、淡々と綴られているお話ばかりなのに、沖田×華先生の物語はスーッと胸にしみこんでくるようで、辛さの中に一筋の感動があって泣けてきます。リアルなんです。

 

家族が病院で看護師さんたちの世話になったことがありますが、日々、キツイことが起こる現場にいるのに明るくて、強くて本当に驚かされました。自分だったら、とても耐えられそうにないなって思えたから。本当、看護師さんたちを尊敬します。

家族でも躊躇してしまうようなオムツ交換や清拭など、チャッチャと済まして、患者がわがまま言ったり失礼なことを口走っても笑顔で流してくれるなんて・・・白衣の天使です。なんで、あんなにやさしくできるんだろう(涙)

 

「お別れホスピタル」の舞台は終末期病棟ですから、通常の病院よりもさらに重苦しい雰囲気なわけで、新人ナースさんがつぎつぎ辞めていく、というのもわかります。

余命わずかな老人たちしかやってこないのですから、いくら心をこめてお世話してもすぐに「終わり」がやってくるし、若い看護師さんだったら精神病んじゃいますよね・・・。

 

ケアをして元気になってくれる、という希望があるなら救われますが、日に日に弱っていく老人たちを見守るというのはきついはずです。

長くつづけられる看護師さんは、いい意味で「シビア」になっていくのだろうし、患者たちの最期にはその人自身が歩んできた人生が凝縮されているのだなあ、と思えました。

 

人間は『生き様』も大事だけれども、最後の『死に様』も同じくらい大事なんだ。

人生の終わり方について、いろいろと深く考えざるを得ないお話で、続きもぜひ読みたいと思います。

 

 

 

 

当サイトのまとめサイトへの転載・リライトは禁止です。

 

Copyright© 漫画ネタバレまとめブログ , 2020 All Rights Reserved.