復讐漫画

漫画「モンテ・クリスト伯爵」ネタバレ感想 森山絵凪

2018年3月26日

大長編が一冊の美麗漫画「モンテ・クリスト伯爵」に!

アレクサンドル・デュマの不朽の名作「モンテ・クリスト伯(巌窟王)」が、森山絵凪先生の美しく重厚感ある画風でまとめられ、原作未読の方でもその素晴らしさを堪能できる作品に仕上がっています。

 

美しい婚約者との結婚式、やっと得た船長という地位に人生の絶頂期にあったエドモン・ダンテスが無実の罪で投獄され、脱獄ののちに華麗なる復讐劇を果たす壮大な物語です。

こちらではその魅力と、ストーリーをわかりやすくするための登場人物紹介、感想をご案内します。

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「モンテ・クリスト伯爵」の魅力とは?

 

船長から「ナポレオンの手紙」を受け取ってしまったことで、幸せの絶頂から牢獄のどん底へ突き落とされた主人公・エドモン・ダンテスが脱獄して財宝を手に入れ、「モンテ・クリスト伯爵」に生まれ変わりあざやかに「復讐」という本懐を遂げるところが、この物語の魅力です。

「復讐」は何も生まない・・・と言うものの、罪なき者がすべてを奪われた挙げ句に絶望を味わわされ、残されたものは復讐だけ。

 

エドモン・ダンテスは伯爵として敵の前に立ち、復讐という甘美な舞台を前にして感動に震えるのです。

長い年月をかけ、エデという駒を手に入れてまで緻密な復讐の物語をつくりあげてきたエドモンの執念。

自分を陥れて富や出世を手にした3人の敵たちを、今度は自分の手で地獄へと叩き落とす暗い爽快感に浸るエドモンになりきってしまいそうです。

 

エドモンはあり余る富の力を使って、「悪をなしたものには懲罰を」「善を施したものには褒賞を」と、まるで神のように勧善懲悪的な報いを現世で与えます。

恩人であるモレル親子に対しては天使のようにふるまい、3人の敵に対しては無慈悲な悪魔のようにふるまう。それは人間があわせ持つ「善と悪」の二面性そのものでもあります。

 

また、エドモンが純愛を捧げた女性・メルセデスに「たった1年半」で裏切られた失望と絶望を埋め合わせるかのように、彼に寄り添う元王女・エデの存在が光ります。

「復讐の駒」でしかなかったエデと共に過ごすうちに、娘に対するような情がわいてきたエドモンと、同じくフェルナンに復讐心を燃やしながらもエドモンを慕うエデのかわいらしさ。

 

岩波文庫で7冊にもおよぶ大長編が、たった一冊の漫画に収まってその魅力を最大限に伝えている奇跡を味わってください。

 

漫画「モンテ・クリスト伯爵」の登場人物

エドモン・ダンテス:主人公。航海士から船長への昇格するはずだった。恋人のメルセデスとの結婚式当日に重い政治犯として逮捕の末「牢獄の島」で14年も過ごす。ファリア神父に息子同然に目をかけられ、彼が遺した「モンテクリスト島の財宝」を脱獄後手に入れる。「モンテ・クリスト伯爵」に生まれ変わり、自分を陥れたものたちへの復讐を開始する。

メルセデス:エドモンの婚約者だったが、投獄されて彼をあきらめ、ひそかにメルセデスを狙っていた従兄のフェルナンと結婚し、息子・アルベールを儲ける。

ファリア神父:「牢獄の島」でエドモンと隣の独房にいたイタリアの神父。無実の罪で捕えられ、脱獄の準備をしていた。賢者のように深い叡智を持つ人物で、自らの知恵と財宝のありかをエドモンに授け病死した。

モレル:モレル商会の主で、エドモンの無実を訴えたがそのことで「皇帝派」と迫害され破産寸前に陥る。不幸なエドモンの父に施しをするなど、善人。

マクシミリアン・モレル:モレルの息子で善良な性質の青年。フランス軍の大尉。モンテ・クリスト伯爵になったエドモンがその高潔さを買って、娘同然のエデの結婚相手に望む。

エデ:ギリシアの太守・アリ・テブラン王の娘で王女だったが、母親と一緒に奴隷として売られてたのち、モンテ・クリスト伯爵に買われ娘のように育てられる。成長したあと、妖艶な美女となりエドモンを愛するようになった。

 

エドモンを陥れた3人の敵

 

フェルナン:メルセデスの従兄弟。メルセデスを手に入れるために恋敵であるエドモンの偽物の密告書を送った。アリ・テブラン王を裏切って幼いエデとその母親を奴隷に売った。のちに「モルセール伯爵」となる。

ダングラール:モレル商会の会計士。年下のエドモンが船長に昇進したのを妬み、フェルナンと共謀して陥れた。のちに銀行家となる。

ヴィルフォール:エドモンを担当した検事だったが、彼を助けるフリをして皇帝の密書を焼き払い、「ナポレオンの狂信的な党員」と虚偽の報告を出してエドモンに罪を着せ投獄させた。密書は彼の父親宛だったため保身をはかる。

 

「モンテ・クリスト伯爵」の感想

 

「この愛は、異端」から入ったひとならおわかりでしょうが、森山絵凪先生の絵の美しいこと。古典の名作と言われる「モンテ・クリスト伯」にぴったりの作風です。

小学生のころに図書館で見たときは、「無実の罪で牢獄にいれられる? なんかミョーに暗い話だなあ」とパラ読みだけしたことを思い出します。

子供向けに読ませるには少々、暗く重たい話であるにもかかわらず、森山先生の子供の頃の愛読書だったとか。(すごい!)

 

原作が長すぎて挫折組も、この漫画のおかげでストーリーの全体像がつかめますし、再チャレンジしたくなってしまいますね。実際、漫画を読んでみて原作に触れたくなった、という方も多いようです。

やはり復讐劇を「爽快だ」と感じるには、酸いも甘いも知った大人になってこそ、というべきでしょうか。

 

復讐の暗い喜びを覚えながらも、無関係のものを巻き込んでしまい罪の意識にゆれるエドモンの心情、神への救いを求める気持ちなど、善悪に揺れる人間そのものの姿です。

長編が凝縮されているので、一コマ一コマに込められた深い意味など、何度も読み返したくなります。

 

本当に素敵な漫画でした。

 

 

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