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悩める私と健やかなるキミ ネタバレ結末 尾崎衣良

2017年10月22日

尾崎衣良作 漫画「悩める私と健やかなるキミ」は短編マンガ集の「君は唇から毒を盛る」収録作。

「あたしゃ、家政婦かよ!!」

同棲生活を続けるサラリーマンと小説家の女性が、家事の分担の不公平さをきっかけに「なんのために一緒にいるのか」を問うお話です。

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「悩める私と健やかなるキミ」のネタバレ

 

菜緒(ナオ)はソーちゃんと「ずっと一緒にいれたらいいね」と始めた同棲生活で、3年目に彼の家事能力の低さに頭にきていた。

 

「ソーちゃん、家のことやらなさすぎ!」

ナオは小説家で締め切り間近でも、ソーちゃんが汚した部屋の掃除やら、洗濯にアイロンがけやらと自分ばかりが家事をやらされている感があって不公平に思っていた。

ソーちゃんはのんきすぎる性格で、ソファに寝転がって何もせずにヘラヘラ笑っている。

 

ナオが怒ると「俺がやるから機嫌直して?」と笑い、一旦はまあいいかと思ったものの、実際に家のことを任せてみるとシッチャカメッチャカだった。

「しばらく俺が家事をやるよー」とうけおったにもかかわらず、ゴミや本、脱ぎっぱなしの服が散乱し、台所には汚れた皿が山盛り、洗濯機には汚れ物がこんもりと溜まっていた。

ゴミ出しすら忘れており、部屋は立つ隙間すらない。

 

「汚れ物がたまったって、しにゃーしない!」

ヘラヘラ笑いながら、汚れ物はあとでクリーニングに出して、晩御飯は出前をとろうという彼にナオは「生活が破綻する!」と結局、自分で何もかも家事をすることになってしまう。

 

これじゃ、まさに無償の家政婦・・・なんのために一緒に同棲しているんだろう?

ナオの脳裏に、このまま彼とズルズル同棲生活をつづけるべきか疑問が沸いてくる。

 

「悩める私と健やかなるキミ」の見どころ

 

彼氏との同棲生活をしたことがある方なら、きっとひとつやふたつ「あるある」と感じたことがあってもおかしくないリアルすぎる彼への不満。

数時間家に放置するだけで、あっという間にごっちゃ〜っとした部屋に変身させてしまう彼のだらしなさ・・・

汚れたものが散乱していても平気な感性についていけない・・・

 

「なにもしなくていいよ!」の意味が、『ゴミだらけでも気にしないから』『ゴハンは外食でもOK』だったり。

同じ屋根の下で暮らすふたりのすれ違う感覚、人の神経を逆なでする彼の無神経な一言、などヒシヒシと伝わってくる点が見どころです。

 

「悩める私と健やかなるキミ」の結末

 

家事をする能力もやる気もないソーちゃんにキレて、とうとう実家へ出戻ったナオ。

実家で煩わしい彼の世話に追われない環境にいるはずが、なぜか仕事が進まない。そして、ひとりでいると自分も部屋を汚くしていた。

 

仕事もスランプで煮詰まっているナオを、迎えに来たソーちゃんの「やめれば?」「俺がいるじゃん」の一言で、肩の力がぬけるナオ。プロポーズをする。

ナオは彼が「変わることはない」とわかったうえで、一緒にいることを選んだ。

 

「悩める私と健やかなるキミ」の感想

 

病めるときも健やかなるときも・・・結婚式の誓いのセリフ。

同棲生活、というのは擬似的な結婚生活みたいなもので、ナオとソーちゃんのカップルもどちらかと言えば倦怠期の夫婦みたいに見えました。

 

男女の考え方や感性の違い、というものは「もうどうしようもない」と受け入れなければ一緒にいられないくらい隔たりを感じることってありますよね。

男性から見れば「女はなんであんなことでいきなり怒り出すんだ?」と、こちらがいきなりヒステリー起こしたように感じるのだろうし、女性からすればずーっと我慢してきた末の爆発で「どうして何回言ってもちゃんとできないの!?」と理解不能だったり。

 

大人になった相手を変えようとしてもそれは大抵は無駄で、相手に合わせるか自分の考え方を変えるしかないっていうことですね。

この物語のナオも、結局は彼と一生一緒に暮らしていく=家事は自分が全部やってあげる、という生活を受け入れ「腹をくくり」ました。

 

でもそれは不公平だとか、メリットがないとかではなく、お互いに不可欠な存在であることを認識しあって相手を受け入れて一緒に生きていく、ということなんだなあと。

なかなか深イイ話でした。

 

※本作は「君は唇から毒を盛る」収録作です。

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