憧れのアイドルに近づくため、仮想通貨の億り人セミナーに参加、大量の草コインを購入した仮想通貨女子が見た、天国と地獄!
こわたり/とらふぐ作 漫画「仮想通貨地獄 vol.1」は、今話題の仮想通貨をテーマにしたホットな地獄作品です。
底辺ネカフェ暮らしから、現金一括マンション購入のセレブ暮らしへ。
しかし、待っていたのは取引所ハッキング、預けた通貨GOX、容赦ない国税の取り立て、というトリプルパンチの「地獄穴」だった!!
こちらではあらすじと結末、感想についてご案内します。
「仮想通貨地獄 vol.1」のあらすじ
佐藤千秋は、派遣切りで底辺ネカフェ暮らしをするアラサー女子。
貧乏から這い上がる!と東京で夢見つつ、今夢中になっているのは「神様」と崇めるアイドルの「マキヤ」。
マキヤ様に近づきたい・・・その一心で、どんなえげつない仕事でも稼いでいた。
ある日、マキヤが仮想通貨会社を立ち上げ、「億り人」になるための仮想通貨セミナーを開催。
1万円が、1年後には200万円になる、という夢のような内容に千秋はマキヤが進める「マジャコイン」を買うためだけの生活を始めた。
面白いくらい、どんどん上昇していく「マジャコイン」。
いつしか、数千万円を超えてマキヤにも認められ、「仮想通貨女子」としてメディア掲載の広告塔に・・・
「仮想通貨地獄」の結末
アラサー仮想通貨女子、としてメディアデビューした千秋。
憧れのマキヤの会社でセレブ気分を味わいながら、手に入れた札束で豪遊生活へ。
取引所の破綻をきっかけにすべてを失い、とことん追い詰められ・・・
※どん底の結末は、あなた自身で見てみてね!
「仮想通貨地獄」の感想
みなさんは「仮想通貨」って、手を出していますか?
今年はじめの○インチェック騒動はまだ、記憶に新しいところですが、ニュースで見てたらあの光景、すごかったですね。
預けていたお金を引き出しできなくなった人たちが、取引所の会社に押しかける悪夢のようなシーンが、この漫画でも繰り広げられています。
ブロックチェーンという新技術によって、新たな次世代の基軸通貨に!という期待が寄せられていた仮想通貨でしたが、意外な欠点が浮かび上がります。
ハッキングに案外もろい(正確には取引所自体のセキュリティがもろい。ブロックチェーン技術そのものは問題ないです)ことや、ボラティリティが高すぎて(値幅がおおきすぎること)日常ではとても使えない通貨であることなど、まだまだ課題が大きいのが実情です。
昨年のあの興奮を味わった方なら知っているであろう、「仮想通貨の天国と地獄」。
持っているだけで億万長者!と、コーフンしてしまうのも無理ないですよね。実際、去年はそうでしたから。
ヒロインの仮想通貨女子・千秋はその天国と地獄を味わい、どん底→天国→どん底の絶望と、まさに乱高下の仮想通貨そのものの人生を味わって終わります。
あと、冗談じゃなく恐ろしいのが、仮想通貨の売買による「税金」の話で、よく描けているなあと感心しました。
会計上、売買で損益が発生していると「税金」がかかるわけですが、仮想通貨にかかる税金は雑所得なので、年収が高いほどトンデモない金額を支払わなければなりません。(最大55%)
一時的に儲かって「ウェ〜〜イ♪」と喜んでいても、年度をまたいで損失を出してしまった場合など、翌年の税金が払えずに「税金破産者」となる可能性すらあるのです。国税こわすぎ。
わかっているひとは、あらかじめ税金分を出金しておけばどうにかなりますが、千秋みたいにモニターみながら「わーい、もっと上がれぇ〜♪」と上昇するシナリオだけ描いている投資者は、かなりヤバみ。
さらに取引所のハッキングや閉鎖、GOX(コイン消失の意味)など、ありえないトラブルが発生してお金を日本円で出金しようにもできない最悪の状況が常に想定されていたり。
「仮想通貨、こわい〜(T_T)」ってのは、ある程度、本当です。
千秋みたいな仮想通貨女子、結構いるんだろうな・・・なかなかおもしろい漫画でした。
とらふぐ先生が描く「地獄」漫画!