地味なメガネ喪女OL・大和薫子。
趣味は少林寺拳法、会社では「お局様」とさげすまれつつ、平凡な生活を送っていたのに、ある日突然「ウサギ」のせいで不思議の国へ!?
唐沢千晶先生の漫画「薫子 イン ワンダーランド」は、いきなり異世界へ放り込まれてしまった真面目OLが、現実世界でのスキルを活かしつつ「王子様」たちに活をいれるコメディテイストなSFストーリーです。
こちらでは、あらすじと感想をご案内します。
「薫子 イン ワンダーランド」のネタバレ
大和薫子は小さな会社で働く事務OL。真面目だが、地味でもっさりしているため若い後輩からは「お局」と陰口を叩かれている。
ある日、お茶の用意をしていると給湯室に関西弁をしゃべるウサギ「ピーター・W・ラビット」が現れて、気がつけば見知らぬ異世界の森にいた。
そこは「ワンダーランド」と呼ばれる別次元であった。
とりあえずお城に行くと、「赤の王子」ことギルバート、「白の王子」レイモンドの跡継ぎ争いに巻き込まれる。
ふたりの王子たちに利用されそうになる薫子だったが、持ち前の「少林寺拳法」、意外に「オトコマエ」なところを披露したことで、逆にふたりを魅了してしまい・・・
「薫子 イン ワンダーランド」の感想
リアルでは目立たない地味系OLなのに、「ワンダーランド」で大活躍してしまう薫子さん。
趣味で鍛えたショーリンジケンポーで、騎士団長をぶん投げたり、「漢!」なかっこよさで異世界で大人気に。
さらに「OLスキル」とでもいうのでしょうか。
社会人として大事な「ホウ・レン・ソウ」(野菜のほうじゃないよ!)の大切さをこんこんと王子さまたちに説き、険悪ムードだったふたりを和解させてしまいます。
じつは薫子さん、メガネをとったら美女らしい。(作中では出てこないけど、王子たちがびっくりしていたので)
お話は基本的に1話完結方式で、ピーター・W・ラビットが時計型転送装置を使って、あちらの異世界、こちらの異世界へと薫子とともに旅立つストーリーになっています。
1話目の二人の王子の対立のほか、2話以降では呪われた国の眠り姫、平安時代のかぐや姫、女たらしの王子さまの花嫁探しの舞踏会など、さまざまな物語が繰り広げられます。
あるようでないような、不思議の国でOLが羽ばたくお話で、疲れているときに何も考えずに読んだら癒やされそうな感じ。
薫子さん、こんなにかっこいいのに、なんでリアル世界であんなに地味に生きているんだろう・・・異世界じゃモテモテなのに。
ジャンル的には少女マンガとSFの間をいったり来たりしている雰囲気なんですが、「薫子 イン ワンダーランド」というタイトルよりも、今流行りの異世界系ラノベっぽいタイトルのほうが受けそうな気がしました。
(『地味なメガネOLが異世界で少林寺拳法かまして逆ハーレムつくった』みたいな)
なお飛んでる異世界系はこの作品だけで、唐沢千晶先生の過去作には「田舎の結婚」というお話もあるんですが、そちらは真面目な恋愛ものになっています。
テイストは全然違うんですが、唐沢先生の作風はすごく読後感が良いものが多いイメージで、こちらもすごく好きです。
気になる方はチェックしてみてくださいね〜