謎の女・カコに翻弄される岩野裕行。監禁、責め苦、教え子に迫られ、挙句の果てに自宅にまで侵食。
日常の隅々までカコが侵入して生活が崩壊しはじめ、第6話「日常」で裕行は混乱し、自分が一体「どんな人間だったのか」わからなくなっていきます。
作品名:「監禁嬢」
原作:河野那歩也
「監禁嬢」第六話 日常 あらすじとネタバレ
みんなに嘘をついてごまかす裕行
激動の1日のあと、いつもどおりに出勤する裕行は、満員電車の中でなぜか子供時代のことを思い出す。
幼い頃の記憶は、家の中に男は自分ひとりで、母と妹とおばあちゃんと三人の女に囲まれ、「女が恐い」と女の機嫌をとって、彼女たちを怒らせない子に育ったこと。
学校へ行くと、妻が捜索願を出すという騒ぎを起こしたため、すっかり教員たちの噂の的になっていた。
二日酔いで連絡できなかったことにしていた裕行は、もちろん嘘をつくしかない。
昨日の夜は、警察に行って捜索願を取り下げてもらい、誰にも本当のことなど言えなかった。
受け持ちのクラスに行き、藤森麻希と目があう。
自宅にはカコが入り込み、学校では麻希がいる。気を抜いていい場所は、どこにもない。
今まではすんなりとできていたことが、全くできなくなってしまう。
凡ミスばかりやらかして、生徒や教員たちからも普段とは違う目で見られる。
『みんなの人』でなければ裕行には価値がない、と考えている麻希は上の空でいた彼に活を入れるために「おしおき」する。
「監禁嬢」第六話の感想
カコによるトラウマショックで、すっかり鬱モードに入ってしまった裕行。精神状態が最悪の中で、秘密がバレないように嘘をついて、ますますストレスがたまります。
たった1日の出来事で、すっかり周りの風景が変わってしまうことって、ありえますよね。
忘れられないほどの衝撃的な出来事だったり、価値観がすっかり変わるようなショッキングなこと。
そうした経験をしてしまった裕行は、「これまでの自分とは違う」自分を感じています。
普段どおりにふるまおうとしても、心と体がついていけず、カコと麻希との問題も解決できないままにギクシャクした行動しかできなくなってしまったのです。
「岩野裕行」がどういう人間だったのか。過去の幼い自分と照らし合わせながら、必死に日常を取り戻そうとしますがうまくいきません。
ショックでボーッとしている状態なのに誰もいない教室で麻希に服従を強いられる次回もかなりキツイ展開です。