今回も引き続き、藤森麻希メインのお話です。柴田の策略で成美とのスキャンダルをでっちあげられた岩野裕之。
先生を利用するつもりだった麻希は、裕之が窮地におちいったことで逆に「先生が本当に好き」という自分の気持ちを自覚します。
そして第21話「あなたのとりこ」では、長年のコンプレックス対象だった田原成美に『自分こそが先生の一番だ』と宣言する「おおっ」な回です。
作品名:「監禁嬢」(かんきんじょう)
作者:河野那歩也
「監禁嬢」第二十一話 あなたのとりこ あらすじとネタバレ
女子生徒とのでっちあげスキャンダルで苦しむ裕之
先生の一番は麻希!宣言に注目の今回。
カマトトぶった成美の態度に、麻希はイラついて成績も一番、運動も一番、だけど先生まではあげない。と宣戦布告。
好きな人につくす、恋するただの乙女になってしまった麻希ちゃんがかわいいです。
女教師・柴田茜の裏工作で、裕之は田原成美と怪しい関係だと噂を流され、職員室でも吊し上げをくらう。
教室ではざわついて授業にならず、生徒たちにからかわれる始末。
職員室で自分はただ、進路の相談に乗っていただけで何もしていない、と訴えても疑いの目を向けられるばかり。
吊るし上げられて冷や汗をかく裕之を横目に、柴田はカコの指示通りに事が運んでいる、とほくそ笑んでいた。
そして文化祭の予定表を見ながら、「何か」を企み、ルンルンしていた。
お昼休みに麻希は、急に成美から呼び出された。
成美は何か言いたいことがあるのに言えず、麻希をじれったい気持ちにさせる。
そんな彼女を見て、麻希は不思議な気持ちになった。
奥さんにも、カコにも嫉妬なんか感じなかったのに、成美に対してだけはなぜか「嫉妬」を感じていたからだ。
「監禁嬢」第二十一話の感想
「先生の一番は、麻希」宣言、スゴかったですね。
男をめぐる女の戦いは激しいものですが、麻希はなぜか成美に対してものすごいコンプレックスを抱いていて、ずっと敵視しつづけてきたわけです。
勉強でも叶わないし、スポーツだってできる優等生の女。本当はそうなりたかった、という願望の裏返しなのかもしれません。
けれども今回、麻希は勝ちました! 「一番以外はその他なんだよ」と凄んで、おまえはその他大勢なんだから、と言い放ち、成美はぶるぶる震えてるだけでした。
実際に「先生の一番」になっているかどうかはアレなんですけど・・・麻希の頭の中では裕之は所有物であるだけではなく、本気で好きになってしまったという事態。
成美を見返してやるために先生を利用していたのに、ミイラ取りがミイラになった、というかデマとわかっていても嫉妬を感じたり、みんなから信頼を失いつつある先生を守ってあげたい、と心から思うようになっています。
最初出てきた時はカコ並みのトンデモ系な女の子だったのに、やはり恋は女を変えてしまうのでしょうか。
すっかりかわいらしい、普通の女子高生に見えてしまいますね。
麻希ちゃん、ガンバレ!と思わず応援したくなるような恋する乙女っぷりでした。