柴田茜を拉致監禁し、「死か服従か」どちらか選べと迫るカコ。おもしろいほうを選べばいい、というカコに対して、茜が選んだ選択は・・・?
カコの「物語」に必要なのは主人公の裕行とヒロインの自分、そして茜という脇役。
第18話(三巻収録予定分)「転生」では、生まれ変わった茜が登場します。
作品名:「監禁嬢」
作者:河野那歩也
「監禁嬢」第十八話 転生 あらすじとネタバレ
わかってくれてありがとう、という茜
カコがスイッチを入れた回転ノコギリを目の前に、カコは茜に選択を迫ります。
そして「自分の理解者」になったカコに対して、「ありがとう」とお礼まで言ってしまう茜。
茜は「自分を認めてくれる存在」を得たいという欲求に勝てず、カコの手をとってしまいます。
あらたな協力者の誕生です。
茜は命の危機にさらされながらも、カコに尋ねずにはいられなかった。
どうして自分のことがこんなにもわかるのか、と。
茜の答えを知って、カコはニッと笑う。
涙と鼻水にまみれながらも、笑顔を浮かべる茜。
茜はカコに服従して、物語の「脇役」になることを承諾した。
解放された茜は、カコと並んで歩きながら「橋」を渡ることをためらった。
この橋を渡れば、二度と戻れない。
これから茜に演じてもらう役割は、他人事じゃない、彼女自身の物語でもある。
今まではバカを演じてる自分を、俯瞰しながら笑っている人生だった。
それは、誰も笑ってくれる人がいなかったから。
差し伸べられるカコの手。
「監禁嬢」第十八話の感想
今回の話では「おいで」といった瞬間のカコのブッキーな目と、涙と鼻水まみれでカコにお礼を言ったときの茜の表情が見どころです。
怖がっていいのか笑っていいのかわからんくらい、微妙な顔(笑)
カコの見事な洗脳術により、柴田茜はカコに取り込まれてしまい「別人」のように生まれ変わってしまいます。
茜は承認欲求が高く「誰かに自分を認められたい」という思いを抱えて生きてきて、やっと自分を認めてくれる人物であるカコに出会った、というわけです。
とはいえ、カコは彼女を徹底的に自分のために利用するでしょうが・・・。橋の上で茜がカコの手を取るシーンで、電灯に飛び込んで燃えてしまった蛾の姿が、未来の茜の姿と重なります。きっとボロボロにされてしまうんだろうな。
都合のいいように今の状況を受け入れ、カコの人形になってしまった茜。
髪を栗色に染めたのは、カコに似せるためでしょうか。
人格まですっかり変わってしまい、あのゴミだらけの部屋がスッキリキレイに変身し、学校でのノリも違います。
裕行に何か仕掛けるための下準備なんでしょうが、カコが一体何を企んでいるのか。
茜と一緒に暮らしながら、カコが司令塔として指示する様子が目に浮かびますね。次のお話も待ち遠しいです。