カコの正体を探るため協力することになった藤森麻希と岩野裕行。裕行は学校の懇親会を利用して、女教師・柴田茜からカコのことを知らないか聞き出そうとします。
第15話「役」では、柴田茜という女の「裏側」が描かれています。
作品名:「監禁嬢」
原作:河野那歩也
「監禁嬢」第十五話 役 あらすじとネタバレ
懇親会で柴田にさぐりをいれる裕行
柴田が面白いことを語りだす今回。
誰もが「役」をえんじており、裕之が本当にコにつきまとわれていることが嫌なのか、と自分自身に問うかたちに。
監禁され、家庭もめちゃくちゃにされ、嫌に決まっている・・・と思っているのに、裕行はそれを完全に否定できない自分に気づきます。
そして柴田もまた「バカ」という役が好き、という変わった女性です。
教師の懇親会の席で、さりげなく柴田茜の隣に座り、話しかける裕行。
やや挙動不審な裕行の様子を見て、柴田が尋ねる。裕行は思い切って柴田にカコのことを尋ねてみたが、知らない。
そこに普段は真面目な教師の皮谷が割り込んできて、最近生まれたばかりの自分の娘と奥さんの写真を見せてくる。
飲んですっかりできあがっている皮谷は、ひとりで勝手に盛り上がり、場が白ける。
そして柴田は「スタンフォード監獄実験」の話を始める。
看守と囚人役に分かれた人たちが、しばらくすると本物のようにその『役』をこなすようになる、と。
子供の頃、柴田は自分の名前を並び替えて「あたしばかね」という言葉をつくり、そのまま自分の「役」にしてしまっていた。
「監禁嬢」第十五話の感想
冷静で取り澄ましたような女・柴田茜は、じつは『汚部屋』の住人でした。(オゲェ~)どうりで片付けが嫌い、なはずです。
しかも、漫画を書き散らしているような様子もあり、隠れ同人作家なのかな・・・。
柴田は直接カコの知り合いではないようですが、カコは柴田のことを知っている。
おそらく片付けられない女であることや、皮谷との不倫のことも調べ上げているでしょう。なかなか、付け入るスキのある女だとも言えます。
人は皆、何らかの「役」をこなしているという柴田でしたが、カコは彼女と接触して新たな「役」を与えようとします。
今までの彼女は幼いころに自分でつくりあげた「バカ」という役をこなしてきましたが、カコが与えようとしているのは一体、どんな役割なのか。
裕行は「教師」であり、「夫」「父親」という役をこなしてきたわけですが、それもすべて幼少のころの『相手が喜ぶであろう自分』を演じてきた結果です。
「女に気に入られようとしていた」子供の頃の自分と、大人になった裕行は本質的に同じことをやっていると考えられます。
この流れで行くと、今の裕行は「嘘で固めた自分」ということになっていきそうで、カコは「本当の裕行」を引き出そうとしている、とも取れます。
今回、カコの出番はほぼなかったのでストーリーは進みませんでしたが、次回カコがまたやらかします。