カコとの「鬼ごっこ」のせいで、妻の美沙子に変なところを見られてすっかり誤解されてしまった岩野裕行。
「言い訳できるならしてみろ」という怒り心頭の妻に、裕行はマズイ事態に陥りましたが・・・
第12話「妻」では、裕行に対する美沙子の強い想いがぶつけられます。
「監禁嬢」第十二話 妻 あらすじとネタバレ
妻からの三行半を覚悟
カコの罠にはまり、妻の友人に手を出そうとしたことになってしまっている裕行。
それは完全に誤解だったものの、この場で説得力のある言い訳など思いつけない。
美沙子の鬼のような形相に、別れを切り出されてもおかしくないと覚悟する。
しかし、実際に美沙子がとった行動は真逆と言っていいものだった。
裕行がしたことは最低。
嫁の友達に手を出そうとするなんて、とんでもない。でも。
ヒワを身ごもって、さらに生まれてからも子育てに追われて「妻」として夫を満足させていなかったから、裕行がつまらないことをしてしまったのだ、と美沙子は自分を責めていたのだった。
それはすべて、美沙子の勘違いではあったが、美沙子は女として夫を取り戻そうと必死で真剣でもあった。
燃え上がる妻のプライド
美沙子は裕行の浮気心程度で、離婚を考えるような女ではない、という。
裕行は美沙子の愛に応えたい、と思うものの、これが本当に「愛」なのかがわからなくなる。
「旦那の浮気」という非日常を着火剤にした、妻の意地なのではないのか、と。
「監禁嬢」第十二話の感想
若い女の子であれば浮気の現場を見たら「もう別れる!」とキレるのが普通ですが、さすがに美沙子は違います。
裕行のことを深く愛しており、その程度のことは受け止められるんだ、と裕行に伝えました。(全部誤解なんだけれども)
それとも、「妻の意地」なんでしょうか。
人間は自分に都合よく解釈する生き物ですから、美沙子は美沙子なりに最も理解できる言い訳(夫が若い女に走ろうとしたのは、自分が子育てで構ってやらなかったから)をつくりあげたわけです。
だから「自分がこれから夫を満足させてやれば、裕行は自分のことだけ考えるようになる」と思っているんですね。独占欲、と言い換えてもいいのかも。
出会ってから7年、付き合って3年、結婚して1年。
長い年月の中で、裕行は美沙子のことを全部わかったつもりでいたものの、
一番近くにいた妻のことをわかっていなかった。
裕行は裕行で、最初から「言い訳しても無駄」とあきらめて、女たちのなすがままにさせています。
子供時代から「女の機嫌をとってきた」というだけあって、女性に逆らえない体質なんでしょう。
それが事態をさらに悪化させていますが、本人は気づいていません。
次のお話では裕行が麻希に「カコからもらったヒント」について相談しますが・・・