写真で輝くほんの一瞬のキラキラでもいい。理想の自分になってSNSで輝きたいの!
美咲りょう先生の漫画「少女転落」2作目、「インスタの罠〜あの子のヒミツ」は、インスタに生活のすべてをかける女子高生・涼花を待ち受けていた「恐ろしい罠」にハマりこむまでの物語を描いた作品です。
こちらではネタバレと感想をご案内します。
「少女転落 インスタの罠」のネタバレ
西山涼花の生きがいは「インスタでキラキラ女子になりきること!」だった。
高校生には本来手が届かない、高価なバッグや財布、コスメと共に自撮り投稿を繰り返して、増えたフォロワーたちから「私の憧れです♡」と大量のいいねをもらえるだけでハッピー。
キラキラの日常を支えるために裏でしていることは、買ったばかりの商品をフリマで売り飛ばして次なるキラキラのための軍資金に使いまわす。
古ぼけた狭い部屋に「インスタ撮影ゾーン」をつくって、キラキラ製造空間を維持し、バイトで得た金で「写真で理想の自分」の一瞬を撮影するために生活のすべてをかけていた。
だが、バイト先で仲良くしていた彩がやたらと自分のマネをしはじめる。
あたしが買おうと思っていた新作が、先を越されてしまった!
涼花には到底あがないきれないほどのスピードで、彩に先に「キラキラ投稿」されてしまい、イライラが止まらなくなった涼花は・・・
「少女転落 インスタの罠」の感想
フォロワーたちの「いいね!」が欲しくて人生をくるわせていく主人公・涼花。
キラキラ女子同士の無言の縄張り、とでも言うのでしょうか。かわいい新作を、誰よりも先にSNSにアップすることが、ある種のステータス。
涼花は、自分をベタ褒めしてくれる彩に油断していましたが、まさかラストであんなどんでん返しがあったとは・・・!?
ただ単純に「憧れのあの人になりきりたい」という、ちょっとサイコ系の女の子なのかなあ、と考えていましたが予想外の展開でした。
「キラキラ女子」になりきるためには、とにかく金がかかる! ブランドバッグや高級財布、新作コスメをポンポン買うなんて大人でも大変。
普通の家庭の女子高生がキラキラ生活を維持しようと思えば、バイト代だけでは到底、足りませんよね。
「キラキラ」のために、男の言いなりになってしまった涼花を待っていたのはお約束の転落。
もし、涼花がインスタをやってさえいなければ、こんな目にあわなかったんだろうなあと思います。
それにしても「キラキラ」維持するために、
高価なバッグなどを購入 → 撮影してインスタアップ → ネットフリマで即座に売り飛ばす → バイトした金と合わせてインスタ映えする物を購入 → 撮影してインスタアップ → はじめに戻る
・・・ここまでしなければ、キラキラ輝けないんですね・・・じつに涙ぐましいまでの「キラキラ女子」。
すごく素敵! 美人で憧れる! こんなアイテム買えるなんてさすがです! 〇〇さんみたいになりたい!
誰かに憧れられること、褒められることが、「キラキラ女子」の原動力であり、生きる源です。
「いいね!」と称賛を浴びるための「嘘だらけの生活」でも、本人は幸せなんだから「ほっといてちょうだい!」って感じなんでしょうね。
「キラキラ女子」どころか、これから「シワシワ女子」になっていくおばさんとしては理解不能ですが、SNSの怖さを感じて面白かったです。
少女転落シリーズ第3話
キラキラ女子のつぎはおばさんSNSをどうぞ!中年女性の実話SNS炎上漫画