生真面目な軍人が、実験で「乙女化」してしまったら!?
今村陽子先生の漫画「ひとよひとよに乙女ごろ」は、軍の強化兵実験でなぜかめちゃくちゃかわいい女の子になってしまった黒崎が、イケメンな上官・桜小路中尉の妹日向子のボディガードとして女学校に通うラブコメです。
中身は男なのに、女の子になった途端にウブでかわいらしいとモテまくる黒崎のとまどいと、恋の顛末が描かれます。
「ひとよひとよに乙女ごろ」のあらすじ・ネタバレ
黒崎数馬一等兵は、貧しい家庭の出身ながら軍人として誰よりも精進していた。
ある日、軍の科学部により強化兵の実験体として選抜された黒崎だったが、実験の結果として見事にかわいらしい「乙女」になっていた。
実験は機密事項であり、上官である桜小路中尉の家へ居候、兼、妹君の日向子のボディガードにさせられてしまう。
女性の扱いに慣れている桜小路中尉にドキドキしてしまったり、日向子の愛らしさにときめいてしまったり。
心は男で体は女である自分に、戸惑い悩む黒崎。
日向子に同行して女学校に通うようになると、女の子たちのふわふわとしたとりとめのないおしゃべりに翻弄されたり、軍人仲間から惚れられてしまうなど、ふりまわされっぱなし。
そして日向子から「恋をしている」と打ち明けられ、その相手は同じ班の軍人だった柏木だと思い込んだ黒崎は・・・
「ひとよひとよに乙女ごろ」の見どころ
絵が、とにかくかわいい。女の子がとってもかわいい。以上。
・・・じゃなくて、「恋愛などくだらん!」とどちらかと言えば女嫌いだった黒崎が、自分が女の子になってしまったことで価値観がひっくり返っていく様子がすごく面白いです。
そして好きな女の子の「親友」として、ひとつ屋根の下でべったりと暮らす、というのは役得なのか拷問なのか・・・男性側の意見も聞いてみたいですね。
感想まとめ
おかしな実験で、硬派な軍人が乙女になっちゃった!という物語なんですが、乙女化したあとの黒崎がめっちゃかわいい女の子になっていてモテモテ。
なまじ、中身が男性なだけにかえって「何にも染まっていないウブな女の子」みたいになっていて、イケメンな桜小路中尉やら、モブ系軍人やら、柏木にも、とみんなから「かわいい」ともてはやされてしまうんですから、何がモテ要素になるかわからないですね(笑)
もちろん、黒崎自身が「男性として」好きなのは日向子であって、運命の出会い(男性だったときにバルコニーから落ちてきた)から、ずーっと気になっていたわけで。
「乙女」という女の子として日向子の友人になって、男だったときではありえないくらいに近づけたことで、日向子もまた黒崎=乙女を性別の関係なく好きになっていて、ニヨニヨしてしまいます。
黒崎はそれまで堅物の軍人でまったくわからなかった「女心」だとか、何も考えていないと思っていた女の子たちが秘めた強さを持っていることなどが理解できて、あのあと元に戻れたのなら女性の良さがわかるいい男になったんだろうと思えました。
ラストははっきりと男性に戻れたかどうか描かれていませんが、日向子の様子から察するに「ハッピーエンド」なのは間違いないかと。
「この続きが読みたい!」というレビューが多かったんですが、こういう想像にお任せします、系な終わり方って結構好き。
このあときっと黒崎は軍人に戻って日向子と結婚したんだろうなあ、とか仲のいいカップルとして末永く幸せに生きていったんだろうな、と想像してほんわかした気持ちになれますよー。