ドロドロで重っ苦しい雰囲気がつづいてきた「ギルティ」でしたが、今回は小休止、といった感じで軽く笑えるギャグ展開もあります。
「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」21巻では、なんとず〜っと謎であった「寺嶋」の正体がわかります。
カズの子供、だとすると年齢合わないよな〜と思っていたら、まさかそういうことだったのか、という。
爽は爽で反撃の準備をするために情報収集を開始するし、急展開になっています。
ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜21巻ネタバレ 丘上あい
秋山とのことを若菜に相談
秋山からのメールの内容を、若菜に報告して相談する爽。
あいつはシスコンなのか、となじったり、
『落ち込むたびに布団かぶってベソベソ泣いていた』
と爽を『布団神』よばわりする若菜。
おかげで爽は前を向いて明るい気分になれる。
優希との再会で得た新事実
優希が働く出版社を訪ね、カズとお姉さんとの不倫関係を知った時期と「カズの子供の存在」を教えてくれなかった理由を尋ねた。
いい子すぎて、見てるだけでしんどかった、という優希。
あまりにも正しすぎる人は、間違える側の人間にとっては「悪魔」に見えるんだ、と。
そして爽の結婚後、「瑠衣」とおぼしき女が優希に接触してきたとわかった。
カズに子供がいることを口止めし、自分自身で爽を傷つけるためだけに・・・
カズと対面での話し合いに臨む爽
これまで起こったすべてのこと、瑠衣がカズと浮気したこともすべて「爽を傷つけるため」に行われたことだと話す爽。
瑠衣が秋山の妹だと知り、「自分は爽とって二番目で、秋山が一番じゃないのか」と言うカズ。
そして、瑠衣の共犯者である寺嶋の名前を聞き、カズは「ある事実」に思い当たる。
瑠衣と寺嶋の悪巧み再開
瑠衣と寺嶋が、今までの復讐の「おさらい」をしていた。
寺嶋は瑠衣に、カズへの未練があるんじゃないか、とからかう。
彼の憎むべき対象は「荻野一真」。
つぎはおまえの番だ、と・・・
「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」21巻の見どころ
結構、胸にずっしりときたのが、優希と爽のやりとり。
爽は昔から「正義の人」というか、「いい子ちゃん」であって、道から外れてしまった人間から見るとやりきれない存在なんだっていう話。
あまりにも正しすぎる人の前にいると、自分がいかにみじめに感じられるか、間違っているのかと思わされて苦しいんだという優希の視点が、すごく人間的でした。
強く美しく生きることは素晴らしいけれども、日々間違いをする人にとってはまぶしすぎて、憎らしくなる、ということでしょうか。
そういう意味では、「瑠衣」が爽に向ける憎しみの理由に思い当たります。
日陰のような人生を歩んできた「瑠衣」にとって、光の差す中を歩んでいる爽は見ているだけで苦しくて、憎らしい存在。
そう考えると、憎悪の理由が腑に落ちてきます。
21巻の結末と考察
爽の人生がどん底から、ほんのちょびっとだけ浮上してきたかなーという流れ。
誤解のあった友達とも和解して、若菜という絶対の信頼がおける親友も得て。
辛かった事実とも向き合えるようになってきて、瑠衣がいままで企んできた復讐がいつからはじまっていたのか、人と会って情報の整理整頓をしていましたね。
あらためて向き合い、話し合うことで、「自分が常に正しい」と人を糾弾していた自分の小ささに気づいたり、正論だけが正義じゃないってわかっただけでも、すごく人として成長しているし素敵だなあって思います。
人に個性があるように、人それぞれに「正義」っていうのは違うもんなんだと理解しましたが、では「瑠衣にとっての正義」って一体、なんなんだろうなーと。
秋山の存在が深く関わっていることに間違いないでしょうが、それと爽への復讐がどのように重なっているのかはまだ不明。
さらに、まるでバトンタッチするみたいに、瑠衣から寺嶋へ、爽からカズへ「新たな復讐のはじまり」が開始されます。
やりたい放題、周囲の人たちを不幸にしてきたカズ。
はじめての結婚で得た妻子を捨てて逃げたツケが、今払わされるという感じでしょうか。
人生をかけて、復讐してこようとする「過去からの復讐者」が現れ、次回以降はきっと「どん底に落とされるカズ」が見られるんじゃないかなーと期待。
ようやく、浮気最低クズ夫であるカズに鉄槌がくだされるのか・・・と思うと胸熱ですね(笑)
シリアス続きで重苦しい空気だったのに、若菜の「布団神」でギャグっぽくなっていて楽しい回でした。