漫画「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」12巻到着!
今回のお話は、一真が主人公。
前回の衝撃のラストから明かされる、一真の赤裸々な過去と、爽と結婚した理由が胸に突き刺さります。
こちらでは12巻のあらすじと見どころ、考察をご案内いたします。
ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜12巻ネタバレ 丘上あい
毒親に傷つけられた一真の過去
一真が親の話題を避けているのには、理由があった。
「しつけ」という名目で暴力をふるう父親に、幼い息子をかばおうとしない母親を憎んでいたからだ。
社会人になり、やっと親の影から抜け出たと思っていたが、入社した会社ではすでに父の手がまわっており、上司の娘とやむなく結婚する羽目に陥った。
「子供」アレルギーの理由
妻との間に息子が生まれたが、父の遺伝子を引き継いでいると思うだけで愛情など感じられない。
外で浮気を繰り返し、それが元で両親ともめごとが再燃し、うんざりした一真はすべてを捨てて逃げ出した。
爽との結婚と「支配」への嫌悪
強く美しい爽と出会って、たちまち惹かれていった一真。
自立して感情的ではない女性なうえ、爽が仕事第一で子供を欲しがりそうもない点も気に入った。
幸せな結婚生活・・・のはずが、彼女が「子供」を欲しがり始めたころから何かが狂いはじめた。
誰にも支配されたくない。
そんなときに瑠衣との関係がはじまって、破滅へと向かったのだった。
「ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜」12巻の見どころ
「浮気サイテークズ夫」にしか見えなかった一真の本心があらわになった、今回のお話。
器用に見えて、案外不器用な生き方しかできなかった一真の姿が意外に思える内容でした。
彼の「過去」から見えてくるのが、爽とある意味で似た者同士だということ。
どちらも「親」に対するトラウマがあり、「親の支配」から逃げ出そうとあらがって成長していました。
一真の目から見て爽は「自分の母親と正反対のタイプ」に見えたわけで、まだ若かったふたりが初々しい。
「カズくん」という呼び名がじつは彼にとって特別なもので、爽にだけ許しているんだということも見どころです。
12巻の結末と考察
毒親の支配から逃れようとして、逃れることができずに苦悩した一真は結局、彼が忌み嫌った父親と同じことを爽にしてしまったのか。
毒父のせいで性格が歪んでしまったことについては同情すべきなのかな・・・
でもだからと言って、妻子捨てて逃げ出した挙げ句、再婚した妻(爽)に隠れて瑠衣と浮気していいってことにはならないですよね。
このお話からわかったのは、一真が「常に逃げているひと」だっていうこと。
毒親の支配から逃げようと就職活動頑張って飛び出し、イヤイヤ結婚した妻と子供も離婚届一通で逃げ出す。
さらに、「子供がほしい」と気持ちをぶつけてきた爽からも逃げ出し、逃げ込もうとした瑠衣には逃げられる。
あー、なんかいるよなあこういうひとって。
『重たい』と思ったら逃げて『あとよろ』するタイプ。
一真は自分の母親のことを「息子を守ろうとせずに、目を背けて逃げた」と恨んでいましたけれども、結局親とおんなじことしてたんでしょうね。
一番かわいそうなのは、元妻さんです。
なんの落ち度もないのに、上司の娘だからと仕方なく結婚してやった的な扱いで、良い妻でいようとしていたのに夫は家に帰らず浮気三昧。
生まれたばかりの息子に対して愛情のかけらもなく、さっさとオサラバして別の女と再婚して自分だけ幸せに。
う〜ん、どんだけ周りにいる女性を不幸にしてんだよ!と、やはりカズ、許すまじ!!
ひとによっては、『カズもトラウマあるんだから、しょうがないよねー』になっちゃうのかな。
なんか、微妙な気持ちになってしまう12巻でした。つづく!