愛娘を人質にとられ、やむなくケイタの言いなりになる鉄男は、命令どおりにナツミの信頼を裏切ります。
一方、さらわれた利香はチンピラたちの手によって、すでに・・・
娘をを守るために自分とナツミの気持ちを犠牲にした鉄男の、悲痛な絶叫が響くお話です。
「ジェノサイダー」第1巻6話「嘘つき」あらすじとネタバレ
ナツミに謝りつづける鉄男
鉄男はひたすら「ごめん、ナツミちゃん、ごめん」と繰り返し謝っていた。
なぜ謝るのか。その理由を知らないナツミには、謝罪など白々しく思える。
「なんかもう、ホントどうでもいい」
鉄男もほかのオヤジたちと一緒で、若くてキレイな女を口説いていただけだった、と思いこんでいるナツミの表情は硬い。
娘の危機に必死になる
やりたくないけれども、やらなくてはならない。
鉄男は戸惑って謝っていたが、ケイタから「おいオッサン、もたもたしていると娘がどんどん汚れていくぜ!」と、利香に迫ろうとするチンピラたちの写真を見て「があああっ!」とナツミに襲いかかった。
一刻もはやく、証拠の写真をケイタに送らなくてはならない。
だが、もともとその気もないのでどうしようもなく、「ごめん、ごめんなさい」と泣きべそをかく。
最低だ、という鉄男に私も最低だというナツミ
「最低だ、最低だ」とうわ言のようにつぶやきつづける鉄男を見て、ナツミも戸惑う。
「なにそれ、最低って。わけわかんないよ」
そういう顔をしないで!と、事情がわからないながらも苦しんでいる鉄男を助けるために、ナツミは自ら始めた。
「鉄男さんのこと、絶対にゆるさない」
怒るケイタ
さっそく、約束の写真が送られてきたが、ケイタは嫉妬で怒る。
「結局、あのオヤジに惚れてんじゃねーかよ!」
イラツいてどうしようもないケイタは、その場にいた一番弱い存在ーー鉄男の娘である利香にその怒りを向けた。
灯油をまいて「オラオラ!」といたぶったあと、灯油が引火してしまう。
むごい娘の姿に絶叫する鉄男
ケイタから「あんたの娘、解放してやるよ」と返事がきて、あわてて指定の場所へ向かった鉄男。
薄汚れた廃ビルで、娘はまるでボロ布のように横たわっていた。
無垢で、無邪気な愛らしい娘がどうしてこんな目に合わなければならなかったのか。
「許さない!許さない!許さない!」
「ジェノサイダー」第1巻6話「嘘つき」の感想
やさしい人畜無害な中年男の鉄男が「変わる」きっかけとなった出来事が、これでした。
誰よりも愛していた、かわいい娘が何もしていないのに、自分がナツミと知り合ったせいでボロボロにされ、ズタズタに引き裂かれてしまう。
最初はほんの軽い気持ちで「娘を理解できるようになりたいから」と、同じ年頃のナツミとSNSでやりとりしていただけだったのに、いつの間にか抜き差しならない羽目に陥ってしまいます。
一生癒えることのない傷を負わされた利香は、包帯だらけで入院生活を送ることに。そして鉄男は「復讐鬼」となって、娘をこんな目にあわせたチンピラたちへの復讐を開始します。