鉄男に会いたい気持ちが止まらなくなって、とうとう呼び出して会うことにしたナツミ。しかし、ナツミの行動はケイタに筒抜けで・・・
ふたりの初めての邂逅はなごやかなものでしたが、のちにこのことが「大きな悲劇」を生む原因となってしまいます。
笑い合うナツミと鉄男を見つめる、不穏なケイタの視線にゾクッとするジェノサイダー4話「ビハインド」です。
「ジェノサイダー」第1巻4話「ビハインド」あらすじとネタバレ
ナツミと鉄男の初めての出会い
「今すぐに逢いたい」という、ナツミのメールに応えて、鉄男は待ち合わせの場所に行った。
「勢いできちゃったけど、やっぱり酸っぱいオジサンって思われちゃうかな」
と、スーツの匂いを嗅いで心配する鉄男。
「もしかして、君がナツミちゃん?」
初めて会うナツミは、娘と同じ年頃の華奢で綺麗な女の子だった。
「急に会いたいなんて言ってごめんなさい。
なんていうか、気持ち悪いでしょ、わたし?」
「気持ちわるいなんて!むしろこんなオッサンで役立てるなら、嬉しいよ!」
いかにも人が良さそうな、無害な中年男である鉄男の優しさに、「そんなに優しいとずるい人に利用されるよ」とつぶやくナツミ。
バカ仲間だね、というふたり
鉄男はナツミの言葉に真摯に答え、「鉄男さんはバカなんだね。でも、私はずっとバカだから・・・」と泣くナツミ。
ナツミは肩をふるわせて「生きている価値ない」と、自分をさげすみつづけた。
「じゃあ、バカ仲間だ」
鉄男は何もしてあげられないけれども、話くらいなら聞けるから、とお茶に誘う。
無邪気なナツミの笑顔にムカつくケイタ
ふたりのあとをつけていたケイタは、ナツミが無邪気な笑顔を鉄男に向けるのをみて、おもしろくない。
「なんなんだよ、俺にはあんな顔、したことねーくせに」
なんであんなジジイに笑ってんだ、と自分の所有物であるナツミが中年男になついているのが我慢ならなかった。
タクシーで鉄男の自宅まであとをつけ、部屋から漏れる明かりを見て、鉄男に娘がいることを知った。
若く、かわいらしい無垢な娘を見て、「娘、いるんだ。ふ〜〜〜ん」と写真を取り、「俺のモンに手をだしてんじゃねーぞ」と毒づく。
ナツミと知り合いだった利香!
大学で利香はナツミを見つけて声をかけた。
「ナツミちゃん、ひさしぶり!」
中学のときからの友達で、よく遊んでいたのに大学になってからは離れていた。
怖い噂がある、と忠告されても「みんな勘違いしているんだよ。ナツミちゃん世界一やさしいもん」と利香はふたたび友達に戻りたがっていた。
そして学校帰りに利香は、ケイタたちが乗っているワゴン車に連れ去られてしまう。
「ジェノサイダー」第1巻4話「ビハインド」の感想
物語の最初のほうで鉄男がナツミに対して「何かつながりを感じる」的なことを言っていましたが、じつはナツミと愛娘の利香が友達(親友?)だったことが判明します。
中学のころは大の仲良しで、利香はナツミのことを「かわいくて明るいし、頼もしい」とベタ褒めでしたが、その後ナツミは不良とつるむようになって利香とは縁が切れてしまったわけです。
まさか娘の友人だったと知らない鉄男でしたが、運命の糸は皮肉なことにナツミを精神的に助けたことによって、自分の娘を危険にさらしてしまうことになります。
ナツミのことをさんざん「ブタ!」「人形だ、あんなやつ!」と無下に扱っていたケイタでしたが、粗雑な性格のせいで愛情表現ができず、本当はナツミに惚れている様子。
ナツミが鉄男に心を許しているというだけで、イライラが止まらず、嫉妬のあまり利香をさらってしまうことに。
次回、ケイタが鉄男に脅迫しますが、かなりエグい要求をされます。