誰もが振り向くような妖艶な美女であり、天才ハッカー、そして犯罪行動科学に精通する八神エリカ。
天王寺大(原作)・富沢順(作画)漫画「DIRTY~ダーティー~」は、エリカの完全犯罪に利用された刑事・工藤が彼女の恋人となり、コンビを組んで犯罪に挑むクライムサスペンスです。
「DIRTY~ダーティー~」のあらすじ
所轄の刑事・工藤俊輔はバーでミステリアスな美女・エリカに声をかけられ、夜を過ごした。
だが翌朝、殺人事件が発生し容疑者のひとりがエリカだと知る。
凶悪な犯罪者・林田によって襲われたエリカは、当時18歳で早熟な天才教授という輝かしい経歴をもっていたのに未来を断ち切られていたのだった。
犯行におよぶ動機は十分過ぎる・・・だが、刑事である工藤とその時間、一緒にいたことでエリカのアリバイは完璧だった。
証拠をつかもうと「罠」を仕掛けた工藤だったが、エリカは若くして元・犯罪行動科学の教授になった天才。
逆に自分の手の内をすべて読まれた工藤は完敗だと認め、共に事件の解決のためにコンビを組むようになる。
見どころ・工藤の娘の誘拐編で最強コンビネーション!
仕事が忙しすぎて、妻に離婚された工藤には一人娘・菜穂子がいました。
この物語が佳境に入るのは工藤の娘の誘拐編で、大金持ちの貿易商と再婚した妻・美和子から知らせを受けて捜査がはじまります。
娘の一大事に動揺しながらも、必死に身代金目当ての誘拐犯を追う工藤。そして、裏から彼をITハックのテクニックを駆使してサポートするエリカとのコンビネーションが見どころです。
事件解決のいとぐちは、「誘拐犯との接点」を絶対に失ってはならないこと。
工藤自身の判断ミスにより、身代金だけ奪われてしまい娘が危機に陥ってしまいます。
絶体絶命の状況で、優秀な頭脳を持つエリカが「もうひとつの接点」を見出したあと、「真犯人」が浮上。
ハードボイルドテイストで、ハラハラしながら読む手が止まりませんよ!
「DIRTY~ダーティー~」の感想
絶世の美女・エリカの美しさ、溢れ出るインテリジェンスにクラクラです。
彼女は自分自身のトラウマから、性犯罪者に対する「絶対的な憎しみ」を抱いており、許してはならない存在だと認識しています。
過去に自分を襲った凶悪犯を自らの手で葬り去り、工藤を利用して完全犯罪を成し遂げたエリカもまた、「犯罪者」ではあるのですが・・・
事件の経緯を考えると、単純にさばくことはできませんね。
「誘拐編」においては、裏方として工藤をしっかり支えながら事件の解決へと導いたエリカでしたが、その後も工藤とはつづいているのか・・・とか、なぜ工藤みたいな冴えない中年のおっさん(エリカのスペックからすると、刑事だという以外に価値がなさそう)と付き合っているのか首をかしげてしまいます。
好きになっちゃったの♡・・・とかでいいんですかね。
再婚した美和子の夫・赤城は、血のつながりがないのに、義理の娘である菜穂子を救うため本気で怒っていて「いいお父さんだなあ」などと思っていましたが「まさか」の展開に。
全2巻完結なのがもったいないくらいにおもしろい王道サスペンスで、最後までスリリングでした。
エリカと父親とのトラウマ問題が解消されないまま終わっていたので、人気が出たらひょっとしたら続編なんか出るかも。
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