短編漫画集「ブスの本懐~暴走する3人の醜女たち~」は、ブスな女たちのダークな人生の破滅を描く物語です。
第一話目の井出智香恵先生の「整形ブスの嘘と真実」では、イケメン青年実業家と婚約し幸せの絶頂にいた整形ブスが、昔の自分を知るいじめっ子に見つかり脅され逆襲を果たす復讐と転落ストーリーです。
こちらではあらすじと感想をご案内します。
「ブスの本懐」第一話目のあらすじ
28歳の村中美里は、IT業界のカリスマ青年・圭一と婚約し、花嫁修業の最中。
鏡に映るのは、文句のつけようのない美貌・・・圭一は知らなかったが、その美しい顔は「整形」で得たものだった。
ある日、圭一の会社で経理が不正をした問題が発覚。部下の大久保の妻、と名乗る人物を見て驚いた。
その女は、かつて美里を「ドブス」とののしりいじめ抜いた同級生・スミレだったからだ。
スミレは夫の不正をなんとかしようと、「美里の元の顔」をネタに圭一にバラしてやる、とゆすってきて・・・
「ブスの本懐」の感想
醜女の女が整形して新しい人生を手に入れ、ようやく幸せをつかもうとしたときに大昔のいじめっ子が現れてすべてをひっくり返そうとする・・・
よくあるベタなお話ではありますが、ヒロインの美里はなかなかどうして。
いじめられっ子だったわりにはしたたかな性格で、スミレに脅されても屈するどころか憎しみに油がそそがれて「復讐」を果たしてしまいます。
さらには自分の過去を知るもの、足を引っ張ろうとするものたちを始末してしまおうとする心の冷たさです。
その報いを受けたからなのか、整形が見たこともないような崩れ顔に!
表紙見ればわかりますが、すっごい顔ですね。
(復讐との因果関係は不明。天罰じゃ〜!みたいな感じで崩れていく)
ブスであることがコンプレックスだった女の、ねっとりとした性格が伝わってきます。
顔の美醜は生まれつきでどうにもなりませんが、幼いころからブスのせいでいじめられ続けると、性格までもが歪んでしまうのはある程度仕方のないことなのかな・・・
ブスがゆえの哀しさも感じました。
こちらの作品にはあと2作、ブス系のお話が収録されているので、そちらも簡単にご紹介しますね。
第2話「妄想ブスの異常な愛情」
老けたオカメおばちゃんフェイスの松田には、とんでもない妄想癖があった。
醜女顔を鏡に映して「この世で一番美しい」と思い込み、うっとりする。
芸能事務所の有能マネージャーでイケメン俳優・新藤工のことを愛していたので、脳内で彼とのラブロマンスを実現していたが・・・
第3話「粘着ブスの略奪愛」
ゲジマユで鼻つぶれの醜女OL・今日子は、自分を心から愛してくれる王子様がいつか現れると信じていた。
会社帰りに大雨が振り、社長の井岡に傘に入れてもらったことで彼を「運命の人」と思い込み、徹底的に尽くすが・・・
3編すべて、ブスであるがゆえに不幸の暗闇の中へ落ちていく内容です。
根暗な「ブス子」がSNSのカリスマ美人にいじめられ!?