漫画「あなたは特別な王子様~暴走するストーカー女~(考野とりこ作)」のネタバレ感想です。
思い込みが激しいぼっちのアラサー女・富美香がカフェのイケメン店員に恋してしまい、「私と彼は運命の恋人」とつきまとい暴走する恐怖のお話です。
重たすぎる好意にドン引きした彼が避け始めると、富美香はとうとう彼の自宅を突き止め押しかけて・・・
「あなたは特別な王子様~暴走するストーカー女~」のネタバレ
モテないアラサーぼっち女がカフェ店員に一目惚れ
幸田富美香は34歳、いつもぼっちでリア充の中で疎外感を感じる根暗だった。
地味で顔面偏差値も低いため、カフェに入っても気づいてもらえずにイラついていたところ、ハンサムで爽やかな笑顔の店員がオーダーを取りに来てときめいた。
どきん、と心臓が跳ねて思わずカップを落として割った富美香だったが、彼は店員として適切な対応をし「またお越しいただけると嬉しいです」と見送ってくれた。
以来、店に通いつめるようになった富美香は「彼は特別な存在」と思い込みはじめた。
重すぎる愛に引き始める店員
最初は店をひいきにしてくれる常連さん、として愛想よく富美香に接していてくれた店員・中村だったが、次第に富美香の「異常なまでの重い好意」に気づいてきた。
彼が好きそうだから、とコーヒー豆や手作りチョコの贈り物。
店の中で中村が会話した内容に、こっそり聞き耳を立てた富美香は、彼の個人的な情報までガッチリ手に入れていた。
それを知って、ゾッとする中村は店長に相談して富美香と極力接触しないように協力してもらう。
だが、中村に会えない富美香は業を煮やしてわざと問題を起こし、大騒ぎになる。
エスカレートするストーカー女!!
生まれてこの方、友達も彼氏もいなかった富美香にとって、「彼は運命の人」。
なんでみんな、『わたしたち』の邪魔をするの!?
ふたりは運命の出会いなんだから、わたしから彼に会いに行こう。
ひそかに彼の免許を盗んで自宅住所を手に入れていた富美香は、中村の自宅のドアに「贈り物」を置いて去り・・・
※結末はあなた自身で読んでみてくださいね!
「あなたは特別な王子様」の感想
「彼こそ、わたしの運命の人!」と、少女漫画チックな思考回路の人なら誰しも、好きな男性に対してそう思ったことはあると思います。
この漫画のヒロイン?(ダークヒロインと呼ぶべきか)富美香は、友達すらいないぼっちな人生を歩み、非常に視野が狭い女性です。
それゆえに、ハンサムな男性店員にスマイルされただけで「この人が運命の人!」と勘違いしてしまいました。
一目惚れ、ってしたことはありますけれども、なんていうのか脳のエンドルフィンがガーッと出て来る感じで、正常な判断力がなくなるんですよね。相手のことをよく知りもしないのに、熱烈な好意の渦に巻き込まれていくような。
思い込みの激しい性格のアラサーともなれば、周りがみえずに熱をあげてしまうのかな・・・
店員の中村にとっては富美香は「客のひとり」でしかなく、すでにお店の同僚とおつきあいしていたわけで、意味がわからない贈り物攻撃に恐怖するようになっていきます。
(手作りチョコに口紅マークがついているのはキツイ!)
富美香は彼が迷惑に感じているとはつゆ知らず、ストーカー行為を続けた末、待っていたのは・・・最悪に近い結末と、精神崩壊。
イケメンが不用意に素敵な笑顔をふりまくと、こんなこわ〜い女がつきまとってくるかも。くわばら、くわばら。
なお、考野とりこ先生の漫画「あなたは特別な王子様~暴走するストーカー女~」は、モンスター女の物語を集めた短編漫画集「破滅する女たち vol.1」収録作品です。
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