『もしも』の世界で、国が「いらない赤ちゃん」をすべて引き取って、最高の環境で養育したら?
漫画「毒親を持った子供たち~幸せを呼ぶ赤ちゃんポスト~(川菜亜子作)」は、「赤ちゃんポスト」が国営化された世界の物語です。
子供なんかいらない、と我が子をポストに捨てたリナは年老いてから「老後の面倒を見てくれる子供」を取り返そうとするものの・・・
こちらでは、あらすじと感想をご案内します。
「毒親を持った子供たち~幸せを呼ぶ赤ちゃんポスト~」のあらすじ
若さを武器に、このまま男にチヤホヤされて一生ラクに生きていきたい、と思っていたリナ。
子供が生まれてしまったため、「国営 赤ちゃんポスト」に息子を投函しにいくことにした。
赤ちゃんポストにいれられた子供たちは、毒親から虐待されることもなく、国が責任をもって最良の環境を用意し、教育を与えてもらえる。
「良い案じゃん!」とリナは何の罪悪感も後悔もなく、ポストに息子を捨てた。
それから30年後・・・
50代になり、すっかり老いて男に見向きもされなくなったリナは生活に困窮し、立派に育ったであろう息子の母親だと名乗りあげ、老後の面倒を見てもらおうともくろむ。
「赤ちゃんポスト」国営化の真の狙いとは?
リナが言うとおり、子供を育てる気もないのに産んでしまい虐待するような毒親に預けるよりも、国がしっかりとした環境で育ててくれるほうが、赤ちゃんにとってははるかにマシ。
最良の環境下で育った「赤ちゃんポスト出身者」たちは、礼儀正しく最良の教育を受け、その能力の高さで活躍してエリートがポンポン誕生。
でも、「赤ちゃんポスト」国営化の真の狙いは、もっとべつのところにあったのです。
いらない赤ん坊を捨てるための「赤ちゃんポスト」のつぎは、老いて役に立たない、リナのようないらなくなった人間を・・・ゾワッとするラストです。
「毒親を持った子供たち~幸せを呼ぶ赤ちゃんポスト~」の感想
シュールな「if」の世界を描いたお話でしたが、荒唐無稽とは言えません。
「赤ちゃんポスト」も実際に存在はしているし、リナみたいな女はたくさんいます。
実際、子供の虐待事件はしょっちゅう起こっていますし、望まない子供を授かった親に疎まれて虐待されるよりは、公的機関で保護を受けたほうがまだいいでしょう。
この漫画のヒロイン・リナは典型的な毒親で、子供を産んでも「母親」にはなれない女。
若くてチヤホヤしてもらえる間はさんざん遊び歩き、老後の世話をしてもらうために年を取ってから我が子を思い出す、という身勝手さでした。
なんとも醜い生き方ですが、捨てられた子供たちがみんな「エリート」になっているというのは面白かったです。
リナの息子は国に養育されたことで穏やかで立派な青年になっていましたが、やはり親に捨てられたことでどこかに心の歪みを抱えていたのか、結構怖かったですね・・・。
ある意味、あれが彼なりの「母親への復讐」だったのかもしれません。
国がいかに最高の教育や環境を用意してくれても、血のつながったまともな親に育てられるのが本当は一番しあわせなのか。
なかなか答えの出ない問題ですが、子供の養育環境だとか虐待問題など、いろいろなものを考えさせられるお話でした。
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