タナカトモ先生の漫画「君は綺麗なアヒルの子」第3巻では、芹のことが気に入らない様子のサークルの先輩・ナミとのいざこざと、彼女が隠していた「秘密」が明かされます。
そして、なんの罪もなさそうな芹に対して「復讐計画」を企てている誘花と石田の過去の回想編となっています。
「君は綺麗なアヒルの子」第3巻のネタバレ
文学研究会の夏合宿で、先輩の元橋ナミと同室になる芹。
初対面からつっかかってきて嫌われている、としか思えない態度をとるナミは、「自分のこと、可愛いと思っている?」と答えに困る質問をしてきた。
整形後の顔は「整っている」と思う芹だったが、ナミは素材の綺麗さで何も努力しないで人生うまくやっている「努力をしない美人」だと非難した。
ナミは元々はブスでデブだといじめられてきたが、美容部員の母と姉のサポートで「化粧して化ける」ことで「かろうじて可愛い」部類に入っていたのだった。
自分が綺麗なのは整形の力だと打ち明けたくなる芹だったが、秘密をバラしてしまっていいものか悩む。
石田と誘花の壮絶な過去とは?
人畜無害にしか見えない芹に対して、憎しみと復讐心を強く抱く誘花と、それを手伝う石田。
一体、芹が何をしたというのか・・・?
読者はすごく気になっていたと思います。
その回答が得られるような、石田と誘花の壮絶な過去が回想という形で描かれており、誘花が味わった地獄の原因が芹だったのか、だからあれほどまでに・・・と納得がいくかもしれません。
仲の良かった両親、10歳だった誘花が一瞬ですべてを奪い去られた事故、そして二目と見られないほどに崩れ落ちた顔。
何も知らない芹は『誘花のことが大好き!』と心から思っており、石田は若干、復讐への疑念を抱いている様子。
第3巻の感想
整形によって「キレイ」になった芹でしたが、内面や行動はブサイクだったときと同じまま。
いくら素材が良くても、それを磨く努力をしなければ、宝の持ち腐れというものです。
そのことを指摘してくれたのが先輩のナミで、ナミは言わば「すっぴんブス」で努力してかわいくなっていた人でした。
自分が頑張って手に入れたものを、努力なしで手に入れた人が隣にいるとムカツク。
芹は初めて、「外見」のせいで人から嫌われたわけではなく、「内面」で人に嫌われたのです。
この点は、芹にとってコペルニクス的な転換ポイントです。
ブスだったころは内面を知ってもらうことすらできなかったので、外見だけで他人からいじめられることは慣れていましたが、中身が嫌いと言われるのは初めてでショック。
そういう意味でナミは芹に対してキツく当たっていたわけですが、秘密を見られて腹を割って話したことで「友達」になれてよかったなーとホッとしました。
今までずーっと友達がいなかった芹にとって、本当の意味で(誘花は偽の友達)友達ができたんだなあと思えます。
ナミに指摘されたことで芹も「自分を磨く」ということが学べたし、このトラブルのおかげで、気になる先輩・柳木にもアドバイスされていい雰囲気に。
柳木くんはホント、いい人ですよねー。
芹と性格的にお似合いだし、このまま付き合う流れになればいいとは思いますが、芹をとことんまで破滅させてやると誓っている誘花にしてみれば、黙っているはずもなく。
虎視眈々と芹を地獄に落とそうと狙う誘花にゾワゾワしてしまいますが、救いがあるとすれば石田が「良心」をもっていることです。
この復讐は、本当に誘花にとってためになるのかと悩んでる彼なら、最悪の事態は防げそうですが・・・
次回、さらなる「復讐の段階」へ進む誘花が描かれます。続く!